事務局からのお知らせ

福祉心理士会では、地域で福祉現場に携わる方たちの福祉心理支援の技能の向上を図るための支援を行いたいと考えています。また、福祉的問題解決には住民の方々への啓発も必要だと考えています。

これらの目的を達成するため、福祉心理士会では地域での研究会・研修会の活動を始めました。その活動を報告します。

1.関東地区研究会・研修会の開催

2015年6月に初めて地域で公開研究会を開催しました。関東地区の研究会・研修会では、茨城県内の児童養護施設の施設長や職員をお招きしてシンポジウムを開催しました。地域における児童福祉施設の職員の方々へ研鑽機会を提供すること及び社会的養護の重要性を社会へアピールしました。シンポジウムの概要は、以下のとおりです。

  • シンポジウムのテーマ 『明日の社会的養護を語る ~児童福祉の現場から~』
  • 開催日時 2015年6月27日(土) 午後1時~3時
  • 開催場所 茨城キリスト教大学
  • シンポジスト:椿 忠彦 氏(誉田養徳園 園長) 水野 洋 氏(シオン学園 園長) 綱川 弘樹 氏 (チルドレンホーム 心理療法士) 後藤 信 氏 (内原深敬寮 指導員)
  • コメンテーター:渡部 澄夫 氏(東北福祉大学 教授)
  • 司会進行:富樫 ひとみ(茨城キリスト教大学 教授)
  • 後援:日立市、茨城県児童福祉施設長会、茨城県児童福祉施設協議会

シンポジストの椿 忠彦氏からは、ご自身が施設長をなさっている誉田養徳園での心理職導入の経緯のご説明から始まり、施設入所児童の変化と施設の対応を中心に児童養護施設の今日的な課題について、お話しいただきました。

水野 洋氏からは、ご自身が施設長をなさっている自立援助ホームみらいの役割をご説明していただいたあと、「ホームみらい」で大切にしていること及び「ホームみらい」のこれからについてお話しいただきました。

綱川弘樹氏からは、ご自身が実践してこられたことの概要及びこれまでを実践から得られたこと、考えたことについてお話しいただきました。さらに施設心理療法に関する将来についての展望をお話しいただきました。

後藤 信氏からは、ご自身が勤めておられる情緒障害児短期治療施設(心理治療施設)内原深敬寮の施設紹介のあと、入所児童に多い被虐待児についての治療方針や生活における特徴などをお話しいただきました。

コメンテーターの渡部澄夫氏は、シンポジストの方々のお話をまとめてくださるとともに、最新の児童処遇の方法などのご紹介をしてくださいました。

当日は、児童養護施設の施設長や職員、県・市の児童福祉担当職員、児童相談所職員、社会福祉協議会職員、児童民生委員、大学院生等、多様な職種の方々がご来場くださり、活発な意見交換ができました。

2.九州地区研究会・研修会の開催

11月14日(土)に、九州福祉心理士会で研究会・研修会が開催されました。概要は以下のとおりです。

  • 日時:平成27年11月14日(土)
  • 場所:西南学院大学
  • 内容:
    講演1「福祉現場に役立つ心理的支援とは」 十島 雍蔵 氏(社会福祉法人 吾子の里 理事長)
    講演2「社会的養護の現場における福祉心理学的援助」 大迫 秀樹 氏(九州女子大学 教授)

詳しい内容や講演の様子は、次回のニューズレターでご紹介する予定です。

3.福祉心理士会第2回全国大会の開催

日本福祉心理学会第13回大会初日の10月10日(土)に、福祉心理士会第2回全国大会を開催しました。

大会では総会及び研修会を午後1時から午後5時まで休憩をはさみながら行いました。研修会では、初めての試みとして平野信喜氏(関西カウンセリング研究所長、宇部フロンティア大学客員教授)を講師にお迎えし、『心の郵便局』と題したワークショップを行いました。またその後、参加者同士の懇談会を行い、今後の研究会・研修会への希望など話し合いました。

福祉心理士会では、これからも福祉現場に携わる方たちの技能向上を図るための支援を行っていきたいと考えています。また、福祉心理的問題に関する研究成果等を社会に発信していく活動をしていきたいと考えています。

Posted in No.2(2015年12月30日), ニューズレター